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は置換率が高くなると、材令が進むに連れ圧縮強度は大きくなり、材令91日では置換率が高いもの程圧縮強度が大きく、置換率10%の圧縮強度と比較すると、置換率30%では7%、置換率50%では13%の増加となった。しかし、フライアッシュの場合は、置換率が高くなっても材令に伴う圧縮強度の増加率はあまり変化がなく、材令28日、91日とも置換率が高くなると圧縮強度は減少する結果となった。また、標準コンクリートの圧縮強度と比較すると、高炉スラグ微粉末置換50%の場合は、材令28日で23%増加し、フライアッシュ置換率30%は同程度の結果となった。Fig.7〜Fig.8に材令28日、91日における高炉スラグ微粉末とフライアッシュの結合材水比と圧縮強度の関係を示す。セメントの一部を高炉スラグ微粉末とフライアッシュで置換した場合の結合材水比と圧縮強度の関係はセメント単味の場合のセメント水比と圧縮強度の関係と同様に一次線形の関係であることがわかる。同一水結合材比における圧縮強度は材令28日、91日とも高炉スラグ微粉末で置換した場合は、フライアッシュで置換した場合よりも平均で16%大きくなる結果となった。したがって、極力単位セメント量を減少させ、材令28日で標準コンクリートの圧縮強度を得るには、フライアッシュよりも高炉スラグ微粉末が有効であると考えられる。

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Fig.5 Relation between compressive strength and flyash admixture content rate

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Fig. 6 Reration between compressive strength and blast furnace slag admixture content rate

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Fig.7 Relation between compressive strength and binder water ratio (Age of 28 days)

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Fig. 8 Relation between compressive strength and binder water ratio (Age of 91 days)

3. 5 乾燥収縮
Fig.9〜Fig.10に材令と乾燥収縮率および乾燥による重量減少率の関係を示す。標準コンクリートSC、高性能AE減水剤のみにより単位セメント量を230kg/m3まで減少させたNS3、フライアッシュ置換率30%のF30、高炉スラグ微粉末置換率30%のBF30、50%のBF50の乾燥収縮率を比較すると、材令28日から56日においてSCとBF30、BF50は増加傾向を示しているが、NS3とF30は変化が殆ど無かった。また、材令56日においてSCと比較するとBF30はほぼ同等であったが、BF50は約10%の増加となりNS3とF30は約20%の減少となった。一般に乾燥収縮は水分の蒸発程度によって影響を受けるため、水中養生期間が短く、水和反応が不十分で多孔質になってるものほど乾燥収縮率が大きい。先の圧縮強度の結果からもわかるように、高炉スラグ微粉末を用いた場合、標準コンクリートやフライアッシュを用いた場合より圧縮強度が大きくなることから、十分に湿潤養生すると空隙構造は微細化して水分は蒸発しにくくなるとともに緻密な組織のために変形が生じにくくなると考えられる。2)しかし、乾燥収縮率がフライアッシュで置換した場合より大きくなったのは、乾燥収縮試験での標準養生期間が7日と水中養生期間が短かったことから、高炉スラグ微粉末がフライアッシュと比較し、初期材令での湿度低下に対して水和物の形成が大きく影響を受けたためと考えられる。3)また、重量減少量は材令56日においてSCは6.6%、NS3、F30、BF30、BF50はいずれも同程度の平均5.2%となりSCと比較して22%小さくなった。

 

 

 

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